朝のラッシュ時、一人の女性が痴漢に逢っていた。意を決した女性は犯人と思しき男性の腕をつかむと「この人痴漢です!」と叫び、彼氏と思しき人物とともに駅の事務所に向かった。

「俺は違う!何かの間違いだ!!」
青年は必至で無実を訴えるが・・・

「俺の彼女に手ぇ出しやがって!示談金寄越しやがれ!!」
彼氏は凄まじい形相で青年に掴みかかり、示談金を要求した。青年はそれを拒否すると二人に連れ去られる形で駅を出た。

その後、サニーが街を歩いていると火災現場に遭遇した。消防士の活躍で火は消し止められたが、焼け跡からバラバラに切断された遺体が出てきた。遺体は火災で焼けていることと被害者の所持品が周りにないことと現場の状況から何者かに殺害された後切断して火をつけられたものだと考えた。

サニーは事件直前に異変がなかったか調査していると火災が起きる前に痴漢騒ぎがあってその後被害者と思しき青年が男女二人組に車で連れ去られたという。サニーはこう推理した。

痴漢をしたのは男女二人組の男の方でたまたま隣にいた被害者を冤罪に仕立て上げた。
その後二人組は被害者を車で連れ去ると空き家で被害者を殺害し、遺体を切断した。これと併せて被害者の所持品を奪い、強盗殺人に見せかけた。
事件が発覚しないよう切断した遺体を遺棄した空き家に火をつけ証拠隠滅を図った。

つまりこれは冤罪を利用した強盗殺人と考えたサニーは痴漢騒ぎがあった時間帯に列車に乗り、異変がないか調査した。すると突然「この人痴漢です!」の声がしたので聞こえたほうを振り返るとカップルと思しき二人組が一人の男性を駅の事務室に連れて行こうとしていたので後を追った。

事務室の外からこっそり様子をうかがうと示談金を要求する声が聞こえると中からさっきの二人組が男性を車に連れ込もうとしたのでサニーはタクシーで車を追った。車は森に入り、道路から逸れて停車すると二人組は男性を引きずり下ろそうとしたのでサニーはすぐさま二人組を殴り飛ばした。

「捕まえたわよ殺人犯!」
殺人犯という言葉に驚く男性。サニーは男性をタクシーの中に避難させると二人組に問い詰めた。

「自作自演の痴漢をして罪のない男性を一方的にでっち上げた挙句に惨殺してなんとも思わないの?」
サニーの問いかけに二人組はこう言った。

「はあ?何言ってんだ?俺がいつ殺したってんだよ!」
「証拠はあるの?アンタこそでっち上げんじゃないよ!」
二人ははぐらかすが、サニーはさらに続けた。

「これを見てもそう言えるの?」
サニーはDNA鑑定のデータを見せた。

最初の事件で被害者を連れ去る際に乗った車のハンドルについた指紋は男のものである。
目撃証言のナンバープレートが近場で乗り捨てられていたものと一致。
火災で指紋は採取できなかったが、遺体の周りには切断に使ったとみられるドリル・のこぎりや放火に使ったとみられる灯油タンクが置かれていた。

データを見た二人は少しずつ顔色が変わるとついに本性を露わにした。
「ああそうだよ。金が欲しかったんだよ!金欲しさに殺して悪いか?」
「事件のおかげでそこそこ稼げたよ。」
全く悪びれる様子のない二人にサニーはさらに詰め寄った。

「当たり前でしょ!そんな稼ぎ方しても気持ちがいいわけないわよ!!」
二人はサニーの問いかけに態度を豹変させた。

「じゃあてめえらも殺してやるよ。」
男はそう言うと森に火をつけた。火は瞬く間に燃え広がる中サニー達はタクシーで森から脱出した。

「逃がすかよ!!」
二人は車で追いかけようとした。しかし二人が乗った車はエンストで動かなくなり、そのまま炎に飲み込まれた。サニーを道連れにしようとした二人は自らだけが焼死するという自業自得の結末を迎えたのであった。

終わり

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